震災から10年。いつの間にかスコップも刺さらないほど荒廃してしまっていた、北上町十三浜の被災集落跡地。
“私たちは、これを次世代に繋いでいくのか?” そんな想いから、NPO法人地球守代表の高田宏臣さんにコンタクトを試みたのが2021年2月のこと。私たちの話に耳を傾け、協力依頼を快く承諾してくださった高田さんは、あの震災からちょうど10年が経った翌日の3月12日に石巻市北上町の現地視察へ訪れてくださいました。そこから交流を重ね、ついに『土中環境から始める十三浜の杜づくり「ワークショップ実践編」』を開催することができました。
ワークショップの前後合わせて合計4日間、地域住民の皆さん、ウィーアーワン北上メンバーと地球守の皆さん、そしてボランティアの皆さんと、4日間の参加者数は述べ200名以上。地元の方々、石巻市民、石巻市長、宮城県職員、復興庁職員や関係企業、そして登米市、気仙沼市、福島県、秋田県と東北だけでなく、関東、関西、四国、九州と本当に日本全国からたくさんの方がご参加くださいました。ここで改めて、ご参加くださった皆様には心より感謝申し上げます。
「土地をよくすることは、昔の風景を再正すること」だと高田さんは言います。土中環境が良くなると、木々が育ち景観が良くなります。景観の良いところには人が集まります。今はいなくなってしまった鳥や虫たちも戻って来ます。
昔の匂い、音が戻り、ふるさとが未来へと拓いていくのです。
関わる人が多ければ多いほど、希望は大きい
「昔の人は当たり前にやっていたこと、現代では忘れられてしまっていることがたくさんある。だから環境を痛めてしまうし、回復のさせ方も知らないからどんどん土地が弱くなり災害が多発してしまう。かつては当たり前だった、自然の流れに沿った環境づくり。その方法を現代に生きる私たちが身につけ、自ら自然へ手を差し伸べられるようになれば、これは大きな希望です」そんな高田さんのご挨拶から始まりました。
重機もコンクリートもない時代から受け継がれてきた知恵と技術。それは、現代を生きる私たちにもこの手で一つでできることがたくさんある、ということでもあります。
この平地の杜プロジェクトが、十三浜の自然だけでなく携わって下さるみなさんの周りの環境再生にも繋がっていけば、こんなに素敵なことはありません。
そういった意味でも、今後も多くの方々と共にプロジェクトを進めていければと思っています。
この4日間で、長塩谷の集落跡地は見違えるほどに変化しました。ワークショップ終了後も、ウィーアーワンメンバーは継続して作業していますし、嬉しいことにメンバー以外にも様々な人が気に掛け足を運んでくださっています。
最後になりましたが、“金のいぶき 玄米がゆ”を提供してくださった北上町の大内産業様、稲わらや枝えで等をご提供くださった住民の皆さん、北上の食材を取り入れた粋なお弁当を作ってくださった石巻の老舗割烹 八幡屋様、心のこもった4日間をありがとうございました !
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